約25年前に結婚を機に大阪から引っ越してきたとき、いくつものまちを見て、千住を選びました。北千住の駅を降りて1日まちを歩き、ほかのまちとは違う何かを感じ、ピンときて、千住に暮らすことを決めました。
千住に惹かれたのは、たくさんの理由がありますが、赤ちゃんからお年寄りまで、いろいろな年代の多様な人が普通に暮らす活気があること、そして、まちに江戸時代から現代までの歴史が重層的に積み重なっていることが感じられたことが大きいです。新旧が絶妙に入り混じる千住は、東京でも、もしかしたら世界でも希少なおもしろいまちだと思います。
その私の大好きな千住の、新しいものと古いもの、その片方(古いもの)が今急激に消えつつあります。この秋、親しくさせていただいている旧家の蔵が2つも解体されることになりました。
新しいものと古いもの、両方が混在しているからこそユニークなまちなのに、もしこのまま古いものが消えていけば、新しいものばかりの、どこにでもあるまちになってしまうと懸念しています。古い建物は一度なくなってしまうと、二度と取り戻すことができません。
千住に、新しいものと古いもの、両方があって欲しいと思うみんなの気持ちをひとつにして、今、守らなければならないものを守っていきたいです。古いものこそが今、新しいし、ユニーク人材を集め、まちを面白くする要だと思います。