まち歩きレポート

2013/05/26第1回千住いえまち主催まち歩き

千住いえまち主催のまち歩きが5/26(日)行われました。

千寿本町小学校多目的教室でのレクチャー

気温は低いような予報もありましたが、午後からはお日様が出始め、最高気温27度の夏日となりました。 集合は千寿本町小学校の多目的教室(12:50)。 前日までにキャンセルされた方を除いて全ての方が出席下さいました。参加者20名、 スタッフ11名の大人数でのまち歩きとなりました。

まず、まち歩きに出る前に『まち歩きの基礎知識』として千住のまちの地勢や歴史的な成り立ち、まち歩きの際に見るポイントや、まち歩きのルールなど20分程度のショートレクチャーをいえまちメンバーの佐々木さんよりして頂きました。終了後、ガイドの声が皆さんに聞こえるようにインカムを付けて13:30にまち歩きに出発です。

まずはかつて銭湯であった駐車場の路地を通り抜けて最初の見学ポイント『舟橋邸』に向かいます。こちらはメンバーでもある舟橋さんのお住まいです。もとは昭和初期に建てられた助産院です。内部にも入れて頂き、舟橋さんより説明をして頂きました。

舟橋邸。内部も見学させて頂きました。

現代の合理的な事を求める住まいと違って、一見無駄にも見えるスペースが暮らしにゆとりと安らぎを与えてくれるとのコメントが印象に残りました。舟橋邸を出て、お茶屋さんの立派な蔵や飲食店の集まった毎日通り飲食店街の路地を通り、石黒の飴と平野煎餅に向かいます。各々好みの飴やお煎餅を買いお店の前で早速味見。時代を感じるお店の雰囲気とともに楽しまれていました。次に3丁目本氷川神社の前を通り大橋眼科へ。こちらの建物はご主人の趣味が高じて、様々なところから入手した部材や、手作りの痕跡があちこちに見られ、ガイドの佐々木さんの説明を聞いて頂きながら外観の詳細を見学しました。

大橋眼科を出て、かつて荒川(現隅田川)沿いに操業していた煉瓦工場を思わせる駐車場の取り残された煉瓦の擁壁を通りすぎ、古い建物をリノベーションしたカフェのある路地を通り、旧道に戻り佃煮屋『鮒秋』へ、現在は名物のすずめ焼きは鮒の稚魚が採れなくなり作られておりませんが、あさりの佃煮を皆で味見。参加者の中には現在も常連だとおっしゃられていた方もおられました。鮒秋を出て通称赤門寺の専勝寺へ。今回は特別に千住の名の由来の一つと云われる荒川(現隅田川)の川底より引き上げられたという千手観音を見学させて頂きました。これには参加者も感嘆の声を上げながら見ていました。

横山家では八代目ご当主の話をお聞きしました。

ここからは旧道を北上していきます。見番横町と本陣跡を見て、更に北上し『街の駅』へ。かつて魚屋さんであった建物を鮮魚店の面影を残しながら、まち歩きに便利なマップや情報を得ることのできるスポットです。街の駅を出てさらに北上し、千住のまちの区割りが実感できる千住ほんちょう公園へ。少し休憩をし、伝馬屋敷の面影のある横山家へ。今日は当主のご子息さんが土間に招き入れてくださり、解説をして頂きます。母屋は江戸後期の建物で、彰義隊が敗走の際に切りつけたという刀傷が3箇所、玄関の柱に刻まれています。

続いてお向かいの吉田絵馬屋へ。東京では唯一の手書きの絵馬屋さんです。当主の奥様より絵馬屋や図案の説明を熱心に聞いておられる方が沢山いらっしゃいました。 絵馬屋さんのほど近くのおだんごや『槍かけだんご』では、メンバーの宮島より設計者から簡単に説明があり、みなさんお団子を食べながら聞いて下さいました。

なかだえりさんにより蔵アトリエの解説

さあ、いよいよ最終目的地、メンバーのなかだえりさんの蔵のアトリエへ。なかださんより蔵の説明をして頂き、前日より始まった個展を順番に見学。時間が少しオーバーしてしまいましたが、なんとか皆で無事にまち歩きのゴールを迎える事ができました。

皆さんお疲れさまでした。

6時より場所を変えて希望者のみで懇親会。スタッフと合わせて20人弱で大にぎわい。 とても楽しい懇親会でした。懇親会の中で、まち歩きの感想を何人かの方にお聞きしました。『近くに住んでいるけれど、佃煮屋さんで買い物をした事もなかったし、もちろん千手観音なんか見れないし、とても良かったです。』と言って頂きました。普段何気なく通り過ぎているまちの中にも過去と現在を繋いでいる魅力的なものがまだ存在しています。今日のまち歩きが、参加者の皆さんのまちへの愛着について改めて考えるきっかけになってくれたら、我々メンバー一同は大変嬉しいです。

そんな思いを持って次回のまち歩きは11月に開催する予定です。 次回はどのあたりを歩こうかこれからメンバーで楽しみながら考えますので、皆さんも楽しみにしてお待ち下さい。

(いえまちメンバー 宮島)