まち歩きレポート

2014/06/14第3回千住いえまち主催まち歩き

日時:2014年6月14日 13:00〜16:00
集合場所:北千住駅西口交番前
参加人数:一般参加者35名 いえまちスタッフ18名 計53名

非常に短期間に大雨をもたらしている2014年の梅雨。そんな開催の天候が危ぶまれる中、最高気温30度という熱中症の心配をしなければならないような快晴にめぐまれ第3回のまち歩きが開催されました。

北千住西口交番前でまち歩きに先立ってのショートレクチャー

今回のまち歩きは、足立区郷土資料博物館との共催で、現在の千住に残る、横山家、下村家という2軒の江戸商家の店先に千住ゆかりの美術品を展示するという「千住出張博物館」 と、それに加えリノベーション空間を体験する試みを加えた「千住いえまち まち歩き」の2本立てという初めての試みでした。
12時50分に北千住駅西口交番前に集合した参加者は35名、いえまちスタッフが18人、述べにして53人。A・Bの2グループに分けてのまち歩きでこれも初めての試みでした。
1時からいえまちメンバーである佐々木さんより、まち歩きに先立って千住の地勢や歴史、及びまち歩きのマナーについての10分程のショートレクチャーが行われました。水分補給に気をつけましょう、とみんなで確認をして、2班に分かれてのまち歩きのスタートです。

A班のまち歩きを報告いたします。

千住らしい路地を進むと見えてくる中川園さんの蔵。旧道からではその存在に気がつかない位置に建っている。

西口交番を出発し千住ミルディスのNTTドコモの道を挟んだ前の路地を入り70m程進むと中川園さんの蔵に着きます。
簡単に千住に見られる蔵の種類や構造、旧日光街道に面して商店があり、その裏に居住部があり、その裏に蔵が位置するため旧道からはその存在に気づきにくいことなどを話しながら外部を見学しました。

ここから旧道に出て出張博物館めざして北上します。
途中、東京で唯一残る手書き絵馬屋の吉田屋さん、黄門様が槍を立て掛けたとされる「槍かけの松」にちなんだ名の槍かけだんごを通り、いえまちメンバーであり、イラストレーターのなかだえりさんが2013年までアトリエとして使用していた土蔵をみました。

なかださんより、築約200年で元は餅菓子屋さんの小豆蔵であったこと、なかださんとこちらの蔵との出会いは学生時代に街並みの研究をしている時であったことなどのお話を聞きました。

2013年までアトリエとして使用していた蔵の説明をなかださんから受けました。

2へ続く

さらに旧道を北上し地漉き紙問屋の記録を伝える「下村家」へ。

江戸期の紙問屋の形式を今に伝える下村家

現在の建物は1923年(大正年13年)築です。
郷土資料博物館の学芸員である多田さんによる説明の後、店先に飾られた竪山南風落款、谷文晁、長谷川雪旦の日本画を通常入れない内部に入り見学しました。

下村家を出て旧道を南下し、出張博物館2軒目である「横山家」を見学です。
横山家も下村家と同じ江戸期は地漉紙問屋で1860年(江戸末期)の建築です。

1860年(万延元年)築の横山家

こちらも内部に入り店先に飾られた、伊孚九書「高仰」と谷文晁「富嶽図」を1本の軸に仕立てた軸装や屏風、大判錦絵を見学しました。
最後に現在の当主の横山さんにご挨拶をし、現存する蔵の前を通り長円寺の参道を東へ進みます。

旧道に対して裏の道は悪水路(排水路)とされていた道であること、旧道が地盤的には一番高く旧道から離れるにしたがって勾配がついていることやその地割の特徴などの話をして千住ほんちょう公園で改めて地割を体感して頂き、路地を経由して、ビストロ「2538-2」に到着。

化粧品屋さんであった建物をリノベーションしたビストロ“2538-2”

営業時間前に内部にいれて頂き、喫茶休憩を兼ねて内部のリノベ―ション空間を体感して頂きました。当店以外にも千住界隈に4店舗出店されているシーセカンドの富井さんより、リノベーションする前の建物が化粧品屋さんであったことや工事の際に天井をはがしたら一部火災の跡があった事などの苦労話やお店のこだわりなどお聞きして、再出発です。

なかだえりさんの新アトリエ

石黒の飴、平野煎餅の前を通り、日光街道(4号線)まで出て、今度は、なかだえりさんの新アトリエに向かいました。

1階にスナックが入っていた木造2階建ての建物をリノベーションして、2013年12月より使われているアトリエを解説付で内部の見学をさせて頂きました。近くの建物より譲り受けた照明や、建具、梯子など詳細に説明をして頂きました。

アトリエ2階部分。壁の左官や障子の消しゴムハンコは子供たちも参加したワークショップによるもの

なかださんのアトリエを出発し、大橋眼科、見板横町と本陣跡の路地を通り、大正時代に建てられた鮮魚店であった街の駅からさらに路地を入り、毎日通り飲食店街の「バーブルーケイン」さんへ。こちらでも2011年にオープンしたリノベーション空間を味わって頂きました。店主の大橋さんより、以前の居酒屋さんだったころの内部の話や、こだわりのラム酒の話などを聞き、すっかりラム酒を頂きたくなりましたがゴールにむけてあと少し。ルートに戻ります。

細部を見ていると建て主の愛着が伝わってくる大橋眼科。 ラム酒専門のバーブルーケイン。店主(大橋さん)の後ろには200種ものラム酒が並ぶ(写真はB班の喫茶休憩中)

3へ続く

ゴールまであと少し。

昭和初期に建てられた助産院であった舟橋家。

旧道から氷川神社の参道を入り、いえまちメンバーである舟橋さんの昭和初期に建てられた住いの前を通りゴールである氷川神社に到着。
冒頭で触れたように最高気温30度という厳しい環境のなか、皆で元気にゴールをすることができました。皆さん本当にお疲れさまでした。

その後有志で、なかださんのアトリエに戻り懇親会となりました。
多くの方にご参加頂き述べ30人弱の大宴会となりました。
皆さん、それぞれが千住のまちに対する思いや愛着があったりなど話は尽きずあっという間に楽しい夜は更けていきました。

今回のまち歩きも沢山の皆様のご協力で無事終えることができました。この場をお借りしてお礼を申し上げ上げさせてください。

また参加してくださった皆様、まち歩きを楽しんで頂けましたでしょうか。
横山家、下村家のような商家に触れ、古い建物や街並みを残していくリノベーションの空間を体感して頂き、時間を繋いでいくことの意味について何かを感じて頂けましたら、いえまちメンバーとして嬉しい限りです

次回は秋にまち歩きを計画しております。
次回はどんなテーマになるでしょうか。
企画が決まり次第、HP等で告知させていただきますので是非ご参加ください。

(千住いえまち/宮島 亨)

B班 ルート途中の長円寺での集合写真。お疲れ様でした。 A班 ゴール氷川神社での集合写真。お疲れ様でした。